少し前に遡りますが、4月中頃、利用者の皆さんとともに、京都市左京区一乗寺にある「有限会社 野村染工場」様を訪問させていただきました。

法被や手ぬぐい、風呂敷など、日本の祭り文化や和装文化を支えてきた染工場です。

この地域で生まれ育った私の記憶では、1980年代後半まではこの一乗寺周辺にはいくつもの染工場があり独特な染料の匂いが漂うとても身近な存在でした。その後のバブル崩壊や安価な海外製品の台頭などにより工場はマンションや住宅地に代わっていきます。自身の成長とともに染工場の変遷で時代の変化を感じさせてくれた存在です。

さて、現在ではこの周辺で3軒ほどしか残っていない、また京都市内でも数少ない存在となった染工場ですが、野村染工場さまは全国、さらには海外からも依頼が届くほど、多くの人の“想い”を受け止めるお仕事をされていました。

今回の見学では、Illustrator や Photoshop が実際の現場でどのように活用されているのかを、工程とともに丁寧に教えていただきました。

利用者さんの多くは現在、事業所内でデザインソフトを学習しています。しかし、「学んでいるスキルが、実際の仕事でどう役立つのか」をイメージするのは簡単ではありません。

野村染工場様では、手描きのラフや昔から受け継がれてきた意匠をデータ化し、型へ落とし込み、布へと表現していきます。そこには単なる“パソコン作業”ではなく、「誰かの想いを形にする」という仕事がありました。

特に印象的だったのは、代表の野村様のお話です。

「人が人を呼び、信頼が仕事につながる」
「できるかどうかより、まずやるかどうか」

利用者の皆さんも、それぞれ強く心に残った様子でした。

AIやデジタル化が進む時代だからこそ、人の手や想い、人とのつながりが持つ価値は、むしろ大きくなっているのかもしれません。

今回の見学は、仕事の技術だけではなく、「どんな姿勢で働くか」を考える貴重な機会となりました。

野村染工場様、この度はお忙しい中、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。