障害者にとっての「寝れない」ってどんな気持ち?

2.昼夜逆転

 

うつ病で「寝れない」「昼夜逆転」してしまった経験のあるAさんに、発症から回復、その後の維持について伺いました。

 

―――体調を崩して休職後に昼夜逆転してしまったのですか?

 

最初は1ヶ月の休職予定だったので、生活リズムを狂わさないようにしていました。

でも、体の不調が一向によくならず、さらに休職しました。

外に出ることもできなくなりました。休んでいるのに出歩くなんて悪いことのように思っていましたし。人と関わることが怖くなってしまいました。

自分に自信がなくなり、車の運転が怖くて外出がますます減りました。

夜になるとホッとしました。

夜の決まった時間にベッドには入りますが、そのまま朝になり、泣いてしまう。

昼間いつのまにか寝つけるけれど、夕方に目が覚めると罪悪感というか、自分はだめな人間に感じていました。

それの繰り返し状態が1年以上続きました。

 

 

―――うつ病の治療中に復職支援を受けたとのことですが、よくなっていたのですか。

 

休職から1年経ったころでしたが、症状がよくなったわけではなく、朝起きて行くところを強制的に作って、リズムを作りなさいと医者に言われました。

人混みが苦手になっていたので、駅で電車に乗れないで泣く日もあり情けなかったです。

眠れないまま行くという日もありました。

1日行くと疲れて動けなくなり、次の日休むという状態が続いていたら、職員の一人に「やる気がないならやめてください、空きを待っている人は多いです」と言われました。

医者に相談したのですが、辞める許可はでませんでした。

 

 

―――そのまま行きつづけましたか?

 

復職支援の施設の相談員に相談したら、「医者を変えてみるのも手じゃないですか」と言われまして、今の主治医に変えることにしました。

「行けない状態は意味ないのでリワークやめましょう」「今は眠れるときに寝てください」「気分のいいとき、夜でもいいので散歩してみましょう」「できることからしましょう」

復職支援を辞めていいと言われホッとしました。

 

その3に続く

https://wsc.cra.jp/1480