障害者にとっての「寝れない」ってどんな気持ち?
3.昼夜逆転の回復
うつ病で「寝れない」「昼夜逆転」してしまった経験のあるAさんに、発症から回復、その後の維持について伺いました。
―――昼夜逆転はいつ頃どうやってよくなったのですか?
できることからすればいいになったら、気持ちが楽になって、徐々に物事を整理して考えることができるようになったんです。
会社に戻らなきゃ、早く治さなきゃと思っているのが病気の回復妨げているなと。
それで、退職しました。判断できるまで休職から1年半かかりました。
退職してみたら、悪夢を見ることが減って、そうすると目覚めも気持ちのよいものになり、散歩や家事が楽しくなりました。
退職から3か月ほどした日に身内が使っていたTOEIC学習セットを見つけて、聞いてみたら少しもわからない。
それで、時間があるしTOEICの勉強してみたい!と思ったんですね。
でもTOEIC試験は、朝起きて電車に乗って、昼頃大勢いる会場に行って受けなければならないわけです。じゃあまずは受けに行くのが目標だなと。点数をあげることより。
主治医に話したところ、睡眠リズムを整えるための薬を処方してくれました。
「起きることだけがんばってみましょう」といわれました。
3か月後に受けに行くと決め、正午に起きるからスタートしました。起きてすぐ着替えて、リスニングしながら眠気がとぶまで散歩にでかける。
夜9時にリズムを整える薬、11時に就寝前の睡眠薬のんで布団に入る。眠れなくてもいいやと英語の本を読んでました。朝まで読んでても飽きないけど結構寝落ちしてました。
次の朝は10分早く目覚まし時計合わせて起きる、または寝てなくても、散歩する、どうしても動けなかったら、その日はあきらめて次の日に同じ時間にチャレンジする。
TOEIC受けに行く頃には、朝9時に起きられるようになり、リズムを整える薬はストップになりました。
―――強引に起きるなら、復職支援に通われた頃と似ているようですが、違うのですか?
強制的に起きる環境を作るというのでは同じだと思います。
うつ病の状態がよくなっている時かそうでないか、自分でたてた目標なのか人にやらされいてることなのか、そういった違いがあったのではないかと思います。
うつがよくなってないと、まず気持ちはあっても思うように動けない。そしてできない自分に腹が立ったり情けなかったり、負の感情が起きる。さらに凹む、悪循環がおきます。
その4に続く