「私は摂食障害でした。だから傾聴することを忘れません」
私は、今まで、発達障害の人や知的障害の人、
うつ病の人と何らかの形でお会いする機会がありました。
ですが、この事業所にきて、初めて摂食障害の人と会うことができました。
読んでいる方には、大変失礼になると思いますが、
正直な気持ち、嬉しかったです。
なぜなら、私も摂食障害だったからです。
一緒に働いている職員さんや通所メンバーさんたちが聞いたらびっくりすると思いますが、
主に拒食症で、そこから併用されるうつ病にもなりました。
3年ほど自分を苦しめていました。
あの時の3年間は、痩せないといけない脅迫的な思いだけの空白の3年間です。
暗くて嫌な気持ちだけが残っています。
私は、一緒の経験があると勝手に判断し、初めての面談の時に、
「食べ物に対する恐怖心や食べたことに対する罪悪感などを持っていますか」
と聞いたのです。
その方は、「いいえ」と答えました。
その返答を聞いて、
私は、相手の声・想いを聞こうとしていなかったのだと気づきました。
勝手に同じ障害だから同じ症状なのだと思い込み、
「はい」と答えてくれると思っていたのです。
この事業所で働いてまだ浅いですが、
面談での話を聴く意味を教えてもらっていたのに、できなかったこと、
そして、同じ障害であっても、同じ症状が出るわけではないと分かっていたにも関わらず、できなかった自分を恥じました。
今でも後悔しています。
ですが、この失敗を二度と繰り返さないように注意し、本人のことが少しでも知れるように声をかけ、傾聴することを忘れません。
「悩み」は人それぞれです。
その抱えているものを伝えることができる相手に私がなります。